振り込め詐欺など怖くない

 昨今、「振り込め詐欺」なる物が以前以上に社会問題化している様子だ。その手口は年々巧妙化且つ組織化しているようで、去年だけで50億以上もの被害が出ている。
 こういった報道を散見する度に「みな金持ちだなぁ」と、素朴に思う一方で、「世の中舐めてんじゃないの?」と思う事もある。騙す方ではない。騙される方が、だ。
 この詐欺の基本的な手口は平たく言えば「問題を起こしたので金を用意してほしい」という内容を電話先の被害者に伝えるだけだ*1。被害者は「金で済むなら…」と金を振り込んでしまう…が、そこがすでに間違いである
 世の中で「金で済む話」というのはそんなに多くは無い。有ったとしても、交渉の最終段階で出てくる問題で劈頭から金の話が出てくる事は有りえない。刑事事件ならば尚更で、犯罪行為で捕まったりしたと言うのならば、弁護士の助言の下に法廷で争うべきで、金銭の介入する余地など無い。誰もが「金さえ積めば軽度の犯罪なら看過される」と心の底では感じているのではないのか?
 もし、そういった考えが蔓延しているのだとしたら、此れこそが倫理の崩壊という状況なのだろう。
 万が一にもそういった電話が私に掛かってきて、「親兄弟がトラブルに巻き込まれたetc」と捲し立てられ、金銭の振込みを要求されたとしても、私は動じる事も無くこう言い放つだろう。

 「法に背いたのなら逮捕されても構いません。私は親兄弟より金が大事です。当事者の身の潔白は司法の場で当事者自身が行うでしょう。」

 私の親にもそう答えてほしいし、そう期待している *2
 誰もがそう思っていれば「振り込め詐欺」などは根絶されるだろう(ここまで電波受信)
…しかし、究極的には騙される人より騙す方が絶対悪なのは議論の余地も無い。取り締まりの強化と逮捕者の厳重処分を望むものである。

*1:最近は複数の人物を装って電話先の相手を混乱させる手口も多いようだ

*2:たとえ実際にトラブルに巻き込まれていたとしてもだ!