行商人への道 3

 オープンβも後半に差し掛かる頃には、すっかり行商人のプレイスタイルが定番となっていた。アレスでも常連客がつき始め、他の行商人とは2機ある補給機を分け合って分担を取り決め*1それなりの利益を上げていた。
 そんな日々がしばらく続いていたある日、NPC交換武器が追加された。その一つがS肩グレネードだった。この装備は範囲攻撃とスタンこそ有るが射程も威力もそれほど高くなく、弾薬補給も小型グールがたまに落とすボルトが2個必要で入手しづらかった影響もあり、人気の無い装備だった*2
 P3で売買情報を見ていると6500〜8500程度で売買されている。新規実装の装備としては安いし、やや売り優勢の模様だった。私は試しに弾の入っていないSグレを格安で手に入れ、店売りの値段を確認した。その価格は5800Sol。実際は高級装備といえる買取額だった。そこに当時の私は金儲けの匂いを感じ取った。調べて見ると交換パーツは猿系のグールパーツが5個必要であった。その頃の該当パーツの相場値は1個350〜500程度だった。その計算なら高くとも2500でSグレが手に入る計算になる。2倍以上の利益だし、売りシャウトで捌ければさらに儲かる。これは放っておく手は無い!と必要なグールパーツを買い占めようとする…が思うように売り情報が出てこない。
 これには訳があった。それと言うのも当時の猿系グールは概して硬く、攻撃も遠近多彩で苦労の割に落とすグールパーツも買い取り額が低く余り旨みのあるグールではなかった。一部の猟師が地形を利用した嵌め狩りを行う程度であった。私は彼ら猟師から直接パーツを買い取ろうと、行商装備のままリーフォルへと向かった。

*1:私はレスチケとリペア、彼は弾薬とエナセルといった具合だ

*2:後に極悪装備と罵倒されるグレネードシリーズに発展するなど当時誰が予想したであろうか