行商人への道2

 オープンβも半ばを過ぎ、暦も3月に入る頃にはPvPよりも商人プレイに楽しみを見出し始めていたと思う。元々は戦闘に勝利するための装備を揃える為の商業活動のはずだったがこれが以外に面白い。
 見も知らぬ人々に礼を言われるのもうれしかっったし、例え仮想世界の通貨といえども残高が増えてゆくのは心躍るものだ。
 この当時、特に高値で取引されていたのはSタンク脚及びその交換グールパーツであるジョーCOで、タンク脚は10万sol、ジョーCOは3万sol程度で取引されていた*1。ジョーCOの主要産出地であるアレス湖畔にある通称「ジョー丘」には常時狩人が待機し、グールが湧出した時は激しい奪い合いが展開されていた。
 此処なら顧客に困らないだろうと考えエナセルやリペアをもってアレス湖へ行商に向かって見た。だが、そこにはすでに先客がいた。無所属商人が補給機の前で店を開いていたのだ。
 正直私はPvP主体のこのゲームでこんな遊び方をしているのは私位だろうと思っていた。商売の合間に話を聞いてみると彼は無限領であるノークティアで狩りをしている時にこの商売を思いついたのだそうだ。また、客の整理に私が手間取っているのを見て定型例文をマクロに仕込んでおく事を教えてくれたのも彼であった。そして扱っている商品はレストアチケットが一番の売れ線だといっていた。これは補給機の周囲で使用可能なアイテムで破壊された装備も完全に修理され燃料も満タンにしてくれる。実はそれまで所謂レスチケの存在に気付いていなかった。これがあれば修理に戻る手間が要らなくなるし、高くても買ってくれる。
 今思えば、行商人としてのテクニックはこの時、この無所属商人から学んだといえよう。ちなみに彼はオープンβ終了時に引退する際に私の所に挨拶に来てくれた*2
 まさに彼が行商人として「師匠」といえる人だったのだ…といまは思っている。
 
 追記:当時のチャットログが残っていないので「彼」のIDが不明でした。もしお心当たりの方がいればコメントにでもメッセージを残していってくださいな。

*1:ちなみに当時のJunker達の平均所得は1万前後と推測される

*2:わざわざリーフォルにまで足を運んできたのだ