初心者の頃2

 かくして、無限大公社に入社した私は、初めの内こそお使いミッションに精を出していたが、これでは一向に儲からない事に気付いた。成功報酬が安すぎて貯金が増えないのだ*1。グール狩りミッションはまだリスクが高くて、初心者装備ではこなせそうも無かった。エンジンレベルも上げておきたい。
 そこで、無限の社員が資金稼ぎにやっているトリッカー狩りを試してみる事にした。リトリ砂漠の数箇所にトリッカーの湧出ポイントがあり、其処で待ち伏せするのだ。上手くすれば十数回の狩りでキッドバックAを買える位は稼げる…と聞いたからだ。
 だが、そこはやっぱりJM。事はそう簡単には行かないのだ。まず、そんな美味しい狩場にはすでに何人も湧出待ちの人がいる。そしてトリッカーが地中から出現すれば一斉に射撃が始まり、最終的に撃破した人が経験値とグールパーツを拾う権利を得る…といったような不文律がすでに出来ていた。狩人の数が少ない内は上手く回っていたが、人が増えると誤射や獲り過ぎな奴に対する諍いで口論となり、大抵は鉛弾の応酬になった。例え同じ陣営でも気に入らない奴は撃ち殺せるシステムの面目躍如であるw。たちまち狩場は殺伐とする戦場となった。しかも同士討ちだ。確かにスフィアトリッカーを連続で倒してグールパーツを売却すれば結構な金額になったが、より狩りに向いたパーツに換装する為に、貯金額はやはり伸び悩んだ。どの道エンジンレベルはまだ7には程遠い。試行錯誤した結果、出来上がったのは何とも奇天烈なアセンであった。

 頭:Lレーダー コア:M箱Ⅰ 籠:リーバックⅠ 腕:M腕Ⅰ 武装:LハンマーⅠ×2、腕SMG×1 脚:S逆脚Ⅰ
(画像はアノヨー8での再現アセンです)
つまり、誤射を避けるために腕SMGで誘き寄せ、近寄ってハンマーで殴るのである。狩りの効率は上がったが、乱獲による恨みを買いやすくなり、後ろから撃たれる事も間々有った。その内湧出したトリッカーを自発的に譲る事によって諍いを避ける術を身に付けるようになっていった。
 やがてエンジンレベルも7に上がり、資金も十分に蓄えた私はP2にキッドバックAを買い付けるために南下を開始する事になる。(つづく)

*1:実はこの当時の私はゴイックの存在を知らなかった